山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

出版エージェントって。

テレビ東京の「ガイアの夜明け」を見る。
出版業界の動きも知っておかなくっちゃね。
(知り合いも出てたし)

番組のなかで一番興味をもったのは、アップルシード・エージンシーという出版エージェントの存在。
アメリカやイギリスでは、作家がエージェントと契約して、作品の内容を相談したり、
出版社に売り込んでいくのは割と当たり前で、小説やエッセイのなかにもエージェントのことがよく書かれていた。

以前から、そういうひとがいたらいいなあと私も思っていた。
もちろん、アメリカやイギリスは日本よりもっと進んだ契約社会であるから、エージェントが必要なわけだけど、この先、日本も必要になるよね。

これまでフリーでテレビのディレクターをしてきたけど、マネージャーがいたらなあと思ったことは何度もある。
自分のギャラを自分で主張しなきゃいけないし、もめた時だって自分で戦わないといけないし、ひとりでやっていくのは結構つらい。
依頼された仕事が重なったときの上手な断り方とか、やりたい仕事の営業とか、タレントだったらマネージャーにやってもらえることを全部ひとりでやってきた。

最近ではシナリオライターや映画監督で事務所にはいっているひとも多くなった。もちろん、その分費用はかかるけど、トラブルに巻き込まれなくてすむし、営業もやってもらえるから楽だと聞いた。

たぶん、小説家にとってもマネージャーは必要だよね。売れっ子作家は個人的なマネージャーをもっているひとが多いけど、それはあくまでマネージャーどまりだ。

日本のビジネスシーンって今、ものすごい勢いで変わってきていると思う。これまでは作家も編集者とのつきあいで小説をつくってきたんだと思うけど、編集者は一般的にいって、かならず、どこかの出版社の社員であるから、自分の会社にとって意味のないことはしないだろう。

例えば、昔昔、映画会社は映画俳優を抱えていた。東映なら東映のスターがいたわけだ。
しかし、東映のスターは東宝の映画にはあんまり出られなくて、そういう縛りがやがて日本映画の衰退を呼び込んで行ったとも言える。(もちろん、それだけじゃないけど)

今、テレビ局に所属しているタレントはなんていない。(当たり前じゃ)
すでに、終身雇用が壊れ、会社をすべての基本に考える、というビジネスモデルが壊れつつあるように思う。
これって、作家と出版社の関係にもあてはまるのではないかしら。

聞けば、中国/韓国では日本の小説がブームになっていると言う。
かの国への売り込みや、映画化なども考えると、エージェントの必要性がよくわかる。
単に本を作るだけじゃなくて、どうやって売って行くかまで考えてくれるとしたら、誰だってエージェントと契約したくなるよね。

う~ん。
なんでもひとりでやってみる、が私のモットーであったけれど、ちょっと考えこんでしまった。
実は、今夜テレビに出てた鬼塚さんというエージェントの人が書いた本も読んでいたのだ。
ものすごく、小説に対する態度がまっとうなひとだなあと前から関心をもっていたのだ。そしたら、テレビで偶然見ることが出来た。

いろんなことを考えた夜でした。