山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

焦らずいこう

糸井重里さんがやっている「ほぼ日刊イトイ新聞」を毎日読んでいる。最近は、読み物がすごく充実してて楽しい。法隆寺の宮大工、小川棟梁のお話とか小説家、保坂和志さんの経験論、コムデギャルソンの川久保玲さん、「海馬」の著者の脳の研究者のお話とかあって読みごたえ満点。

小川棟梁にしろ、保坂和志さんにしろ、川久保玲さんにしろ、分野も年齢も違えど、結構、言っていることに共通点が多いと思う。まず、時間の問題。小説を書くには、とにかくたくさん本を読み、たくさん書くしか道はないという保坂さん。その上で、自分だけの体験を重ねて、初めて文体ができるので、若いうちに書いたものを信用してはいけないと。例え、若書きが上手かったとしても、「誰かのまねがうまかった」だけだとおっしゃる。

小川さんのところなど、まず、10年は修行だという。共同生活し、掃除をしたり、食事をつくったりするところからはじめて、すぐには道具には触らせてももらえない。

これらの一見無駄に見える長い修業時代のすえにしか、よい作品は生まれないというのだ。
そして、それは脳の研究者の意見とも一致していて面白い。優等生というのは、課題を与えられると、それが得意かどうか、好きかどうかを考えずに、まず、取り組む、という。一見、「バカ」みたいに見える。一方、「これはきらい」「自分には向いていない」と判断するひとは、課題をやろうとしない。ここで、どちらの脳が成長するかというと、圧倒的に優等生の脳だという。初めてのこと、得意じゃないこと、好きじゃないことでも、とりあえず、とりくむ。この姿勢が脳を活性化し、新しい発想を生んだり、嫌いだったものから好きになる要素を見つけたりするそうだ。だから、優等生(という言葉が的確かどうかはおいておいて)は、先に行くほど伸びるというもの。

なんだか、反省してしまう。自分はすぐ結果を求めてしまう。テレビという、翌日には視聴率が出るメディアで長くやってきたせいか、次へ次へと目移りする癖が付いているのかもしれない。どこかで楽な道を探しているのかもしれない。

そんなわけで、これからはもっと地道にいかなくっちゃね。信じた道をすこしづつ。停滞したとしても、すぐに諦めたり、カッとなったりせずに、日々精進してゆきたいものだなあ。

トラブル続きで、祈るような気持ちでいます。謙虚に前向きになるしかないのでした。