山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

犬が好きだっ。

ずっと見たかった「トゥルーへの手紙」を見た。
これはブルースウエイバーという全米屈指のCMカメラマンによる、ドキュメンタリー映画。
彼は5匹(?)のゴールデンレトリーバーと暮らしていて、そのうちの一頭の名前が「トゥルー」

9月11日のテロ以来、すっかり反戦気分になったブルースが、愛犬にあてた手紙で平和を訴えるという構成。

と、中身をいくら書き連ねても仕方ない。トゥルーをはじめ、犬たちはものすごく、なんども身をよじるほど可愛かった。要所要所で挿入される、「犬の素晴らしさ」に関するエピソードも悪くなかった。正直、私は泣き通しだった。犬への愛情があふれてしまって・・。

でも!

私も心底犬が好きだし、GODを後ろから読むとDOGという話を持ち出すまでもなく、犬はこの世で一番神に近い生き物だと思っている。けれども、だからといって、犬が出て来るものを手放しでほめていいとは限らない。

ブルースさんところの犬たちはたしかにかわいい。可愛いだけじゃなくて、賢い。けどさ。
ドキュメンタリーとしては、ダメでした。つくりが甘いよ、甘過ぎ。
すべてがイメージカット。反戦すらスタイルに見えてしまう。

あと、常に撮影スタッフが映ったりして、なんていうか、この犬たちも結局、CMの撮影のためにいるの?という気分になり興ざめだった。

とはいえ、気持ちはわからなくはない。わかりやすい手法の反戦映画を作っても、今さらしらけるだけだし、わかりやすい感動がない方がいいのかもしれない。見ていないけど、聞くところによると、「皇帝ペンギンン」におけるペンギンの擬人化はかなりキモイものだったらしいから。

いくらいぬが好きだからって、採点は甘くならないぞ。
当然のことだ。

そんなことを書きつつも、映画を見ている間中、早く家に帰って、うちの犬たちを抱きしめなくっちゃと思った。

ああ、犬がすきだっ。