山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

「死」は最悪の結末ではない、と私も思うのであった。

今日は、超久しぶりになにも予定のない日。
急に暇になると恐ろしくなるけど、だからといってねえ。

犬と散歩に近所に行ったら、再開発が進んじゃって、スタバはできるわ、クイーンズシェフはやってくるわで、にわかに、賑やかで便利になりかけている、うちの近所。嬉しいと思うことにする。新しい公園もできるし。

でまあ、夕方から、ずっと読書タイム。

山田詠美「風味絶佳」
安野モヨコ「さくらん」
中島たい子「漢方小説」
鈴木剛介「自殺同盟軍」の4冊を一気読み。

だいたい、一冊2時間フラットで読めてしまった。

「漢方小説」よかったな。深刻かもしれない状況を平然と書ける能力なのか、体質なのか、うらやましく思った。自分にはない資質。自分は小さなこともしつこく、しつこくなってしまう。反省した。
漢方薬、飲みたくなった。

しかし、ここは、やはし、「自殺同盟軍」でしょう。
もう、この作家さんはー。

ちなみに、彼はBBSにも書き込みしてくださって、「ベイビーシャワー」の読者でもあるのだ。
(これは自慢)
「自殺同盟軍」
最初の書き出し、滑り出しがいい。彼ほど、ひとと別の地平を生きている感じがするひとって少ないよなあ。およそ、俗ぽさとかけ離れたところにいるひと。

「漢方小説」の主人公などは、とてもわかりやすいのよね。ああいるよね、こういうひと、わかるよ、こういう気持ちって気がする。入りやすい。読み易い。

テレビでも出版関係でも、みんな「俗っぽい人柄」でしょー。(自分もね)

けど、鈴木剛介は違う。なんか根本的に違う。それが魅力。小説っていうより、哲学書なんだよね。
人はなぜ生きるのか、なぜ、自殺しちゃだめなの、なんていう、大テーマをテレもせずにあげることができるんだよ。

今時、中学生だって口にしないような。
(最近の中学生なんて、レンアイのことしか考えてないしょ。みんな同じこと言うし)

ここまで広げたテーマをいったい、どう収集するのだろう、という興味も湧いたのだけど、後半に行くに従って、ちょっと「物語」めくっていうか、普通の「小説」めいてしまって、きれいに終わらせるのがやや、残念だった。

思念だけで、つっ走ってよ、ケイさん、って感じ。

しかし、4冊の本を(一冊は漫画だけど)読んで、急に、作家じゃなくてもいいか、と妙なことを思い付いてしまった。

あるテレビドラマプロデューサーが、会社を辞めて、全く違う業種に行ったんですよねー。もともとそのひとは、某大企業からきた、エリートさんだったけど、10年くらい、ドラマの最前線で、ヒットドラマ作って、(女優さんとたくさん遊んで)、それで急にいなくなった。で、今は、もっとすごい額のお金を動かす仕事をしている。なぜか、急にそのひとのことを思い出した。

うーん。
小説ってなにかしら。なんで書くの?なんで読むの?

「自殺同盟軍」面白かったよ、やっぱり、読み終わる前と後が変わらない小説にやっぱり、全然興味湧かないんだよねー。だって、変わりたくて、読むんだもん。

得たいのしれないものを感じた。自分の想像の外にあるもの。これだから恐ろしい。こういう感覚に出会いたいのだ。

今後、当分、家にいられるので、ゆっくり本が読めて嬉しーのだった。

この後は、富岡多恵子先生の「水中庭園」、桐野夏生さんの「魂萌え!」、大道環さんの『傷口にウォッカ」と読みごたえありそうなもんが、控えております。うう、楽しみ。