山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

うわさ話の効用

フリーランスになって15年くらいたつ。

仕事のたびに、雇われた制作会社に行き、番組を作って帰って来る。この繰り返し。だから、特定の会社の特定の場所に長くいることはない。

この間、女子のグループと飲んでいてしみじみ思った。女の子同士の情報網はすごい。同じ会社のひとたちの動向をおしゃべりというメディアで情報交換している。わたしなど、「自分の目と耳」以外の情報網がないので、会ったひとをそのまま評価している。

よく見ているアメリカのテレビドラマ「デイスパレートな妻」たちも主婦4人がしょ中集まって、お茶を飲んだり、ポーカーしたりして、おしゃべりして、同じ街のひとびとのうわさ話をしている。こういうことって、学生時代から女子が好んでやっていることだ。

例えば、どんなにかっこいい男でもその女子のサークルで、「でもあいつってバカだよ」などと別の面のマイナス評価を与えられたりすると、急に、その男の価値が下がってしまう。すると、「ちょっといいな」と思っていたとしても、周りのマイナス評価に負けて、「つきあうのはやめておこうか」ということになったりもするかもしれない。

とはいえ、思い起こすと、そんな風に女子の友達に囲まれていられたのも、中学までで、高校生の頃から、たいてい孤立してひとりだったから、その手の有効なアドバイスをいつも聞き逃してきた。
(とほほ、今日まで・・)

時に、この手の女子の評価っていうのも大切なんだよね。そこからしか得られない情報があるから。

そういえば、かつて、女子だけで飲んでいたら、セクハラの話になったことがあった。
すると、でてきたのは、自分が割と信頼しているひとが、周囲の女子に仕事を餌に迫っているという事実だった。対象になっているコはにこやかにかわしながらも、密かに公にするチャンスを狙っていると言った。つまり、本人はまったく気づかぬうちに、社内で崖っぷちに立たされていたわけだ。

そんなところまで事態が進んでいるなんて知らなかった。その宴会にでなかったら、自分はなにもしらず、ノー天気にそのひとを信頼していただろう。

結局、そのひとはセクハラで訴えられるということもなかったが、その人への評価は変わった。慎重につきあうようになった。しかし、一方で知らないままであったら、どうだったのかとも思う。 情報はありすぎても、よくないように思ったりする。余計なことまで考えるのが、果してかならずしも仕事にとってよい結果をうむかどうかわからないからだ。とはいえ、自分のマンションが、地震が来たら壊れるとしたら、知っていなければ危ないし。

そんなわけで、うわさ話というのは重要だけど、怖いなあ。
株価だって左右されちゃうし。

株のことなんて考えたのは、現在読書中、阿川大樹さんの「覇権の標的」を読んでいるから。
すっごく、面白いです。

ちゃんとした感想はHPのBOOK欄にいずれ書くつもり。