山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

バングラデシュ、はるかなり。

バングラデシュのユヌス氏がノーベル平和賞を受賞された。とてもめでたく、とてもうれしい。

というのはですね、今をさること6年前、2000年に、バングラデシュに行きまして、ユヌス氏が始めた、貧民銀行(と当時は翻訳されていた)の取材をしたからなんですねー。番組のテーマは「結婚」だったので、銀行そのものを取材したのではないけど、ユヌス氏は、女性の自立も支援されていて、彼の支援のもとに、起業する女性を取材したのだった。

このときの模様は、今年の夏に発売になった「料理通信」という雑誌に短編小説として少し書いたけど、バングラデシュでは、女性は結婚するしか生きていく道がなく、しかもほとんどがお見合い結婚で、一度くらいしか会ったことのないひとと、親の同士の取り決めで結婚していくのが日常だった。私の取材した、10代の花嫁は、結婚式の朝、ずっと泣いていた。泣きわめいていた・・という方が正確なくらい。恋愛の自由なんてないし、でも、生きていくためには嫁になるしかない現実。日本だって、ほんの少し前は同じだったかもしれず、自分に与えられた自由について、つくづく感謝しなければいけないなーと思ったのだった。

そういう世界で、女性にも経済的自立を!と提唱していたユヌス氏の考えにはたいへん共感したのだった。彼の作った組織や銀行にもいったし、彼の支援のもと、働く女性たちも取材したし、なので、なんだか嬉しいのだった。

現在、ユヌス氏が来日中らしいので、ちょっと書いてみた。

バングラデシュでのロケはほんと、新鮮で楽しかったんだよなあ。いろんな意味で。テレビの仕事やっててよかったと思ったんだ。そうじゃなきゃ、こんな場所に来て、こんなひとたちに会えなかったなーと思って。

画面にユヌス氏が映る度になんか嬉しいのでした。