山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ヴェニスの商人ってほんとは。

天王洲銀河劇場で、「ヴェニスの商人」を見てきた。

市村正親人気か、はたまた、藤原竜也人気か、客が圧倒的に妙齢の女性である。(私もか)。満席で立ち見もでるほどの盛況ぶり。私は、寺島しのぶさんが出演されるので、見に行った。寺島さんはほんと舞台映えのする女優さんだ。声が通るし、光るように白い肌が輝き、立ち姿が美しい。が美しいだけのか弱い女性ではなく、しっかりものの感じがまた、はまり役であった。「愛の流刑地」などでは、か弱き女を演じていらっしゃるが、どちらかといえば、「ヴァイヴレータ」に代表されるような、現代風のからっとした女性を演じるときの寺島さんが好きだ。かわいらしさを持つ反面、女として強さもずるさも持っている方が魅力的に思う。

シェイクスピアって、セリフが長いし、説明的だから、(あ、私の脚本みたいだ…)、ちょっと苦手なんだけど、久しぶりに楽しめた。古典というのは、いいよなあ。最近、古典ばかりだわ。

ところで、関係ない話だけど、隣の席のカップルがすごかった。カップルというか、女性のほう。20代前半くらいのわりとかわいらしい感じの女性だが、席についたとたん、サンダルを脱ぎ、素足になって立て膝ついて座った。レースのミニスカートから太ももがあらわになるし、もっと先まで見え隠れしている。彼氏の方は見て見ぬふり。彼女はこのような舞台に全く興味がないらしく、しきりに「つきあいで見てるんだからねー」「なんかうまいもん、喰わせろよ」とぶーたれてる。そのせいか、彼氏は尻丸出し彼女に注意することもできない。まあ、私は男子ではないので、となりのねーチャンのパンツが見えても、芝居に熱中できたけど、男性だったらハタ迷惑な客であったろうーな。ヴェニスの商人もびっくりでした。

舞台を見ている間、フト、おお、舞台に立つってやってみたいなあと思ったりした。演出はやってきたけど、自分も芝居したいなんて思ったことなかったのに、なぜかしら。だって、気持ち良さそうなんだもん。いつか、ちょい役でどっかでなんかやりたい。体温の低い芝居ね。

そうだ、今日ちょっと嬉しかったこと。
劇場近くの本屋に、「しまうたGTS」君が一冊、あった。おう、こんなマイナーな書店にも。続いて、浜松町の教文堂に立ち寄ると、平積み。隣は芥川賞受賞作だった。斜め右にイトコの「オトナの片思い」も平積み。あら、ちゃんと売ってるんだ。新刊出てから、初めて書店に行きました。なんかちょっとグレてて、本屋さんに行く気がしなかったんだなー。けど、やっぱり行ってみるもんね。自分の息子が(「しまうた」は息子って気分の本だ)、ちゃんと台の上で整列していると、我が子の入学式(卒業式か)を見るようで、そこはかとなく嬉しい。平積み台に並ぶ「しまうた」を手にしたおじさんに、「あ、それ、私の本なんですよー。面白いですよー。今、買ったらここでサインしますよ。あ、サインいらない?ブックオフに持っていけなくなるから。あ、そうですねー、おまけに某番組の携帯ストラップつけましょー。関係ないけど、たまたま持ってるから。あ、おじさん、携帯ストラップに興味なし?おまけに、その番組名も知らない。う~ん、じゃあ、デニーズの割引券でどうよ、葉山店だけど」

などと、脳内営業をしていたのだった。