山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

容赦なし。

劇団ポツドールの「恋の渦」をDVDで見る。

すげえ。とにかく、すごいとしか言いようがない。ポツドールを知ってから日が浅く、実際に舞台は一度しか見ていない。が。衝撃を受けたので、現在、DVDを集めている。そのうちの一本。

いろんな恋愛のかたちが描かれているのだけど、容赦がないというか、超リアルというか。ひとがひとを求めることの、強烈さとばかばかしさが、非常によく練られたセリフで表現されている。そこには恋の甘さもわかりやすい夢も解決もない。またしても、客は痛烈な結末にほおり出されるのだ。しびれる。

アメリカのベストセラー作家が言っていた。「売れたいと思ったら、ハッピーエンドにしろ。よほど自分の筆に自信があるのでなければ、不幸な結末の小説は失敗する。そしてもちろん売れない」。ううむ。まったくだ。ひとびとが求めているのは、決して自分を危険な場所に投げ出さない範囲での冒険であり、結末では、「やっぱり自分は間違っていない」と思わせてくれる倫理なのだ。そういうものがさ、ポツドールには、いっさい、ないのよ。免疫のないひとは、泣き出すであろう。

面白かったなー。作者の三浦氏が小説書けば、簡単に芥川賞とれそう。いやいや、そんな下品なことを想像してはいけません。だって、舞台として充分なんだもの。早く他のDVDも手に入れなくっちゃ。

これを見てから、自分の仕事すると、ちょっと落ち込みました。