山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

アンチ・トラウマ語り

ぼんやり、文芸誌を久しぶりに読む。

文學界10月号の東直子さん著の「うさん」という小説。不思議な読後感のお話だったけど、読んでいる間中、漠然と感じたのは、「時効警察」っぽい…ということ。純文学の小説に向かって、テレビドラマと比べたりしたら、文学のひとたちから斬り殺されそうだけど、(事実、以前、あるおじいさんから、「てめえの小説はテレビドラマの書き割りみたいなんだよ」と怒られたことがあるのだ。怖。)、似通った感覚があったのは、確か。

まあ、他のメディアでも「時効」っぽいものって、時々見かけるから、「流行」ってそういうものかもしれないけど。

というか、テレビドラマと小説の隔たりがなくなっているのかもしれない。「羊は案外かわいくない」とか、一文字だけの名前のひととかね。リアルなのに奇妙な登場人物などにそれらの遺伝子、血脈、なんでもいいけど、似通った感覚を感じた。全メディアレベルで、「小さいころいじめられたから、不良になった…」的なトラウマ語りに飽きられてきた昨今、意味ないけど、面白い感じが、重要になってきたようにも思う。

いやいや、もちろん、トラウマ語りは相変わらず、メインカルチャーかもしれないけどさ。

ということで、年末。忘年会ウィークだった今週も終わるので、来週はぐっと静かにしていようっと。文芸誌とか読んじゃうし。寒いしね。

今年の抱負は朝型に戻りたい!だ。あと10日あまりだけど、叶うかな~。