山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

情熱大陸「桜庭一樹」

なんか、飛躍的にアクセス数が伸びて居るんですけど、みなさん、どっから来てくれているのだろう。

この間、リンクはってもらったからかなー?映画の学生さん関係?まさか、「クリアネス」?いずれにしてもたくさんのひとに読んでもらえるのは嬉しい。これは毎日書いているので、書きっぱなしなため、誤字脱字注意してるけど、あった場合はごめんなさいね。

さっき、テレビ「情熱大陸」で桜庭一樹さんの回をやっていた。知らなくて偶然見て、最後まで見てしまった。なんかとてもせつない感じがして、良かったなー。桜庭一樹さんの小説って一冊も読んだことないんだけど、その人となりがはかなげて、魅力的だった。本に囲まれた小さな部屋で、読んで書くってことに命かけてる感じが装いではなく、ひしひしと伝わってきた。

テレビってほんと生のメディアだから、どんなに演出してもどんなに構成しても、撮っている対象の魅力ってそのまま出てしまうんだよなあ。これは自分も長らくテレビドキュメンタリーやってきたからわかる。細工してもつまらんひとを面白く描くことはできない。(フィクションやドラマは別ですよー)。

で、桜庭さん。直木賞の受賞コメントに打たれた。「直木賞どころか、次の本が出せるのかどうかを最近まで心配していたくらいだし…」みたいなことを言っていた。さらに、過去、ライトノベルの結末を編集者の意向によって、変更させられたことあるって言ってた。そーか、本当に苦労してずっと書き続けて来たのだなーと思うと、(そういう話に弱い)、じんときてしまった。

みんな、変更とかさせられているのか、みんな、次は出せないかもって思いながら書いているのか。そーかそー。

今日の松尾スズキさんのブログにも似たようなことが書いてあって、「自分がいいと思う映画はヒットしない」理由について、映画の配給会社のひとと話したら、簡単にいさめられて、なんで昨日、今日映画始めたような奴にそんなこと言われないといけないんだよ的に怒っていた。大人計画だって最初の10年は冷や飯で演劇界の誰からも相手にされなかったんだぞ!と。それでも、ずっと自分はこういうのが面白いと思うって一念だけでやっきたんだって。

ずっと自分信じてやってきて、(それも10年単位)、で、今があるってこと。

いえ。まあ、なんつーかこうして、自分を慰め、励ましているのでした。だって、みんな勝手でしょ。ちょっと売れるとすぐそのひとに殺到するけど、どれだけ長い間そのひとの作品見てきたんだよ!って気持ちになるよね。いえ、まあ、マスコミはそうゆうもんだし、観客はそうゆうもんだけど。

で、桜庭さん。どこかの取材で、小説のテーマが近親相姦みたいな過激なものだから、それを作家個人の体験との関わりについて聞かれていた。まあ、よくある話である。特に書いたひとが若い女の場合、内容と作家の体験をオーバーラップさせるひとは多い。そして、それを逆手にとり、自分の過激な体験を書くことで読者の注目を集めようとする作家だっている。が、桜庭さんはどうやら、そういう種類の作家ではないらしく、小説の中身と体験を結びつけようとするインタビュアーに、露骨に不快な顔をしてた。せつない。

そして、この番組を作ったディレクターの意志を感じた。これ、入れようって思ったんだなと。ここに彼女の(桜庭さんの)作家としてのありようがあるのだから、これをいれないとダメだと思ったんだ。そのディレクターの目線に感心した。そういう意味でもとてもよくできた番組だったなー。全部だましだったとしても、わたしはだまされたよ。でも、だましじゃないと思う。

そうゆうわけで励まされ、自分もコツコツ書きましょうー今夜も。そして、書ける場所があることを感謝しよう。もっと努力しなければ。と思いました。

今夜もクリックよろしくです。