山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ジャックジョンソン



そんなわけで、横浜のレンガ倉庫にジャックジョンソンに会いにいってきました。っていうか、野外ライブに行きました。



会場はこんな感じ。ライブ自体は、午後3時くらいだったけど、ジャックジョンソンが出るのは17時半くらいとのことで、夕方出発。いや~横浜、遠いす…って実は1時間かからなかったけど。電車に1時間乗るとすごい遠いように思う、脆弱なだめ人間です。

で、ライブの様子ですが、開演して3時間もすぎている訳で、そんなにステージに近づけるはずもなく、首を長くして、小さな本物がたまに見える程度の距離におりました。あとはまあ、モニターで鑑賞です。しっかしですねージャックジョンソンってひとはですねえ、修行僧のようといいますが、禅の僧侶のような、ものすごくストイックな感じがしました。静かに登場し、ほんとに次々と歌っていく。何曲だったか数えてませんけど、ずっと平常心っていうか、声量はあるけど、叫ぶようなことの決してない、淡々とした歌いっぷり。ギター一本で(いや、ギターのみじゃない曲もいっぱいあったけど)、1万人(?)くらいのひとを一瞬で感動させられるのってすごいあーと思いました。

なんか、あの、僧侶のような感じが日本人受けする理由かもしれないなー。「道」みたいなものを感じ取りました。ライブなのに、しっとりしてて、ゆるく静かに楽しめました。

しかし、野外ライブは楽しい反面、つらいですねー。ずっとたちっぱなしだから。年寄りにはつらいのであった。


ライブの間にどんどん日が暮れて、周りにはこんな風景が広がっておりました。桜木町から歩いたのですが、あのあたりって、全部再開発されてしまったのか、(レンガ倉庫はハコとしては残っているけど、中はみんな大資本の店ばかりだし)、夜になっても煌煌とライトアップされ、人工都市みたいだった。

ジャックジョンソンを見ていて、フト、昔知っていたユタ州出身のアメリカ人のことを思い出しました。そのひとの運転で、ユタのなんもない道を延々走っていた時、(ロケで行きました)、そのひとが言った言葉。

「アメリカ人っていうと、陽気で人なつこいひとたちと思われるかもしれないけど、アメリカ人の心のなかには、今走っているような、どこまでも続くないもない荒涼とした風景が、原風景としてある」。

ジャックジョンソンを見ていて、そのことを思ったのです。つまり、彼はハワイのひとだけど、彼の心のなかには、ハワイの(ワイキキみたいなにぎやかな場所ではなく)、激しい波のくる海岸とか、荒涼とした山肌の溶岩が固まったような風景とか、厳しい自然の風景みたいなものがあるのではないか、それに対する敬意みたいなものが、声や曲やしぐさに現れているのではないか…と思ったのでした。

ギターの音色とジャックジョンソンの一時間半歌っててもまったくぶれない、響くような歌声にすっかりしびれたのでした。

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