山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ひとりでいる権力。

小説を書いています。

といっても、今やっている作業は、すでに書き上がったものの直しです。最初に書いたのは、10年近く前なんだ、これが。なので、今読むとかえって新鮮で、「ほーこのひとは、こういう表現をするのか」などと、自分が書いたにもかかわらず、感心したり、はたまた、「だめじゃん」と思うところもあったりです。

で、まあ、直しつつ、書き足しつつ、やっているわけですが、自分で言うのもなんですけど、10年前に比べたら、自分って結構、うまくなって来たのではないか…とおめでたく思っているのでした。「うまく」というのは語弊があるかな。慣れて来たというか、わりと次々アイデアが浮かぶというか。初めて書いたときには気づかなかった、構成のわかりにくさや、自分の思いこみだけで書き進んでいるところなんかが、はっきりと見えてきたりして。

それを直すのがいいのかどうか、少しだけ迷います。多少わかりにくくても、書いたときの瞬発力を大切にすべきとも思うし、いやしかし、読んでもらってなんぼだから、出来る限りのことはしようと思ったり。難しいところです。

とまあ、そういう幸せなというか、楽しい作業を雨のなか、しています。うっすらひき始めた風邪はまるで直らず、ずっと喉が痛いですけれどもね。風邪ひきでも、声ガラガラでも、家で引きこもってできる仕事でよかった。

昨日くらいに見たテレビで、ジョージ・ルーカスが人嫌いで、彼の会社では、ルーカスと合っても目を合わせないとか、むやみに話しかけないなどのルールがあるそうで、それを聞いていて、なるほど、人嫌いなひとは、力を持って上に立てるようになったら、人と率先して関わらないようにする…というか、自分の好きな流儀を実行するのだなあと感心しました。

ヒラというか、普通の状態でいると、そうはいかない。ひと嫌いでも、仕事の電話はしないといけないし、打ち合わせでたくさんのひとに会わないといけない。権力があれば、やっぱり、やりたくないことはやらなくなるのだろうなあ。

現在、自分NO権力ですが、それでも、あんまりやりたくないことはやらない感じになりつつありました。いいのか、それで…。とも思ったり。あと、実際、エラクないから、そうそう我がまま、きかないので、適度に、社会に合わせて生きているのであった。

五月なのに、冬の終わりみたいに肌寒い土曜日だった。