山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

「nip/tuck」

昨日で、「Lの世界」のシーズン2のレンタルできる3本を見終わったしまった。で、さみしいので、「nip/tuck」というアメリカのドラマを借りてくる。友達の「L」ファンが絶対おすすめといっていたシリーズ。

舞台はマイアミ。主人公の二人は、整形外科の医師にして、共同経営者。そこには、日夜悩みを抱えた患者が、豊胸手術をしてくれだの、脂肪吸引をしてくれだのといって訪れる。犯罪を隠蔽するために、顔を変えたい男や、何度も整形を繰り返す患者などもやってくる。

確かに、「ひとは見た目が9割」の世界であるけれども、整形したい…という裏には、結局、愛情とSEXの問題がある。というか、ほとんどそれ。どっちかひとつってことではなく、愛情とSEXが複雑にからみあっているのだ。

整形はすでに女性だけのものではなく、男性も結構やってくる。充分過ぎるサイズなのに、性器を大きくする手術を繰り返す男もいる。なにもそこまでしなくても…と思う一方で、形を変えることで、生き延びることができるなら、それもアリかとも思う。主人公の二人が40歳でそれぞれの人生に危機を感じているのもまた、面白い。ひとりは二児の父で家族思い、ひとりは独身で女遊びを繰り返す男。両極端なのだ。それもまた、愛情とsexの問題だけど。

ふうむ。現代人は大変だなあ、とひとごとみたいに言ってみる。自分がタイムマシンに乗って、どっかからきて、これを見たら、しみじみ、同情するだろう。まあ、その話はおいておくとして。

ドラマの舞台は、整形外科だけど、精神科医も常駐していて、整形=心の問題なんだってことが見えてくる。形を変えることで、心を変えようとしているのよね。抗うつ剤など、クスリでケミカルに心を変える方法もあれば、整形という物理的な手段もあるってことだ。

要するに、「心」。この見えないものをどうやって、扱うかってことだよなあ。文学とか映画とドラマとかも、扱っているのは、「心」だわ。メスもクスリも使わずに、心を変えることができる人類の偉大なる発明だよね。あ、音楽とか絵画とか、ようするに芸術一般。

芸術があれば、整形やクスリはいらない…なんて野暮なことは言わない。むしろ、救える方法はいろいろあったほうがいいし。例えば、ちょっと美容院に行って、きれいな髪になっただけで、「生きててよかった」と思う日があるように、小さな支えがいろいろあったほうがいい。

と、そんなことを考えつつ、また、はまっているのでした。アメリカのドラマはテーマがはっきりしているので、好きです。時に辛らつだとしてもね。

そんなわけで、当分、見るものがあって良かった。これ見ていると、ボトックスやりたくなるから不思議です。


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