山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

真夜中の出会い。

昼間暑いせいもあるけれど、よく深夜に犬の散歩に行く。

今日も、午前2時過ぎ、出発した。真夜中の散歩ではいろんな光景に出会うことができる。

ひとつめ。割と木のある公園に行ったら、複数のセミが木と木の間を飛び交っていた。なんらかの意図がある様子で、「ジジジ」と短く鳴きながら飛んでいる。会議でもやっている風情である。昼間見かける、鳴くしかやることのないセミとは違って、重要な使命を帯びていそうなのだ。しかも、「ここはおまえらの来るところじゃない」とセミが言っているような気がして、早々に公園を出た。

途中の道では、数匹のネコが集まっている。昼間なら車にひかれてしまうような道路のど真ん中で丸くなっているのだ。しかも、こちらは大きな犬を連れているというのに、怖がるそぶりもない。最近のネコは、きっとこう思っているんだろう。「あいつら、一応犬だけど、昔の犬みたいにネコを見たからって襲ってきたりはしないんだよ。どいつもこいつも飼い主に甘やかされた腑抜けだからな。自分が犬だってこと、忘れてるんじゃね?」。そう、ミニもネコを見ても、「こんにちはー」みたいな友好的な雰囲気で殺気立つこともない。

ので、ネコの集会を邪魔しないように、道のはしっこをミニと歩く。

続いて、コンビニの裏から、生き物の鳴き声が聞こえたので、「ネコか?犬か?」と思って、裏に回ったら、男女が抱き合っていたのでした。あ、失礼しました。道を戻り、商店街を歩く。真っ暗な商店街のなかで、煌々と明かりのついている店がある。なにげなく覗くと、そこは洗濯やさんで、洗濯物の向こうに、デスクでカップヌードルを食べているおじさんがいる。遅くまでお疲れさまです。

いや、仕事ってわけじゃなくて、オリンピックを見て夜更かしして、お腹空いただけかもしれない。でも、店先にいるっていうのが、なんともいい。

こうして、いろんな不思議な光景を見ながら、犬とぶらぶら歩くのは大変楽しい。ひとつ不快なのは、最初に行った公園で、思いっきり蚊に刺されたこと。今の時期、公園に短パンで行くと、蚊にとっては、飲み放題の大宴会になるようだ。

しかし、なぜ蚊は、刺したあと、かゆくなるようなマネをするのだろうか。もし、蚊に刺されてもかゆくなかったら、いくらでも刺されてもいい。いくらでも…というのは大げさだから、1日10箇所くらいなら、血を飲んでもらってもいい。(かゆくないなら)。刺されても1時間くらいですぐ消えるし。

思うに、蚊が憎まれるのは、かゆいからであって、かゆさがなければ、人間は蚊を相手にしなかったのではないだろうか。蚊取り線香始め、一大マーケットを作っている、蚊対抗プロジェクトだけど、
かゆみがなければ、「ま、いいか」と思うひとは多いと思う。

とすれば、蚊は戦略を間違っている。刺してもかゆくない蚊に進化したほうが、絶対、生き残れる確率が増える。蚊が刺しているところを目撃しても、バチンとつぶしたりはしない。「あー刺してる~」とぼんやり見るだけだろう。ううむ、蚊の戦略はよくわからないなー。血をいただいておいて、なぜ、かゆみを残す。「ごちそうさま」という感謝の気持ちで、刺したところから肌が潤うとか、筋肉がほぐれるとか、血のお返しになにかプレゼントしてくれてもよかろうに。

と、道を歩きながら、くだらないことを考える真夜中の散歩でした。

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