佐世保バーガーはじめ、表参道に行列のできるハンバーガーショップができたりと、ハンバーガーブームである。
これは容易に予測できる事態であった。マクドナルドが日本に上陸してから、30年くらいになると思うけど、いつの頃からは、マック(これからは短縮して書くね)は、子どもをターゲットにしてきたと思う。テーマパークのような明るい店内とオモチャつきのセットなど、子どもが喜びそうなことをやってきた。
どっかで読んだけど、人間は、5歳くらいまでに食べたものを一生食べ続ける…と。いわゆるオフクロの味。小さいころに慣れ親しんだ味は、その後いろいろ美味しいものを食べたとしても、ふと、食べたくなったりするものだ。
そして、今のハンバーガーブーム。今の20代くらいのコたちは、すでに子ども時代にマックをたくさん食べてきただろう。だから、大人になってもオフクロの味はマック、もしくはハンバーガーなのだ。大人になったら、少し高級なハンバーガーを食べてみたいとか、いろんな種類のハンバーガーを食べてみたいと思うのは当然だ。もちろん、日常的に安心できるものとして、マックのハンバーガーも食べるだろう。
これがマクドナルド方式。子どものころにマック好きをすり込んでいく…という作戦だ。
でもって、なにが言いたいかといいますと、先日、自分は、講談社のYAシリーズというところから本を出した。このシリーズは中学生、高校生がメインターゲットである。10代で私の本に出会ったひとが、その後、自分の本をずっと読んでいってくれたらいいな…という壮大な計画なのだ。
「もしも、この世に天使が。」を好きになった10代は、20代を前にして、「しまうたGTS」を読んでくれ。これは、18~20歳くらいのお話だからだ。次は、「すべては海になる」へ行ってくれ。これは、20代半ばくらいがターゲットだ。そして、30代になる前に、女性と仕事についてメインで書いたエッセイ「女の武士道」はどうか。そして、30代になってしまったら、「まじめなわたしの不まじめな愛情」が待っている。妊娠・出産について考えたら「ベイビーシャワー」もあるぞ。
このようにして、10代でつかんだ客を逃すまい…という戦略なのだ。…嘘。そんな計画が最初からあるわけがない。たまたま、このシリーズの担当者様からお話をいただいたから書いただけであった。しかし、かように前向きに解釈することもできる…というだけであった。
物事は考えようだ…。と自分に言い聞かせる。
ちょっと落ち込むことが多いのですが、気持ちを前向きにするために、マクドナルド方式について考えてみました。
はあ。(ため息)。
でも、生きていられるだけで幸福だと思わないといけないと、しみじみ、深々考えてしまう今日この頃。だって、残された時間はあまりないんだもん。