山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

なぜには17の理由がある。

久しぶりに、「Lの世界」を見た。シーズン4の6本目。

最初の頃ほどの衝撃はないけど、二話続けて見ると(一本のDVDに2話収録されている)、それなりに面白い。Lの世界のLとはライフ、ラブ、レディなどいろいろあれど、レズビアンのお話である。出てくるのは、ほとんど女子だけ。たまに出てくる男子は、誰かの恋人だったりもするけど、たいていは「だめなやつ」として描かれる。「男に走る」というのは、「チーム」からはずれる、情けない行為なのだ。

たいていは恋愛がテーマで、誰が誰を好きとか嫌いとかそういう話題に終始するんだけど、時々、社会的(?)なテーマもある。例えば、登場人物の一人は女性兵士だ。軍隊では同性愛が禁止だったりする。その彼女はもうすぐイラクに行かなくてはならない。恋人を残して。(恋人はもちろん、♀)。

あるいは、会社における性差別。女性だったときは、採用してもらえなかったIT企業から、男性に性転換したら採用される元・女子。性差別をただそうと会社の上司に訴えると、仕事をはずされ、結局やめるはめになる。

あるいは、子供を持つこと。精子バンクを利用して母親になったレズビアンを、シングルの女子が批難する。「母親になった途端、なにか重要なことを成し遂げたみたいに振る舞わないで」。

恋愛ドラマとしても、楽しめるんだけど、…単純に、シェーン(という役名のコ)が好きってこともあるけど、とりあえず、ヘテロセクシャルな自分にとってもこのドラマが面白いのは、レズビアンという特殊な世界から、現実をあぶり出してくれるからだと思う。ひとを好きになる気持ちはヘテロもゲイも同じだと思うから、恋愛ものとしても楽しめるけど。

でも、ちょっと不思議。自分はシェーンというコのファンだけど、なぜなんだろう。なぜ、好きなのかなあ。女子なのに。なかでは一番、男みたいだから?それとも複雑な生い立ち(お母さんはアル中で、父親に捨てられて施設で育つ)、悲しい過去(一時は、ゲイの少年のふりをして、男性相手に売春してた)というお好みの「暗い陰を持つ捨て犬タイプ」だから?あるいは、見た目?圧倒的に?

今日見た一話にこういう看板が出てきた。
「なぜには17の理由がある」。
こう書かれた看板を、ひとりのビアンが恋人のために盗むのだ。なんの看板で何を宣伝しているのか、全然わからないけど。こじゃれたエピソードとして。

17の理由。…約30の嘘みたいなものかなあ。

仕事をさぼるには、17の理由がある。…とか。
答えはひとつじゃない…みたいなことかなあ。

ボーナストラックについていた、「BURN NOTICE」というへんなスパイドラマも結構面白かった。(見たのかよ!)ちょっと「時効警察」っぽかった。事件そのものは、よくあるタイプのものなんだけど、小さなギャグの集積によって、楽しませるドラマ。へんだったなー。世界的に、ストーリーはもういいから、小さな笑いと奇妙なキャラでひっぱってくれ!という密かな指令が出ているのかなあ。

大きな物語は、もうお腹いっぱい…な感じするもんなー。とはいえ、相変わらず、メジャー映画世界では、大きな物語が跋扈しているけれども。企画も大きな物語のが通りやすそうだし。

私がやりたいような、「小さなお話」だと、それってどーでもいい話でしょ?と切り替えされやすいんだよなあ。とはいえ、やりたいこと実現に努力しようっと。

夢をつかむためには、17のステップがある。

…なんてね。嘘。