山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

クリスマスの退屈。

今日は、今年演出に参加した番組の忘年会。

行く途中で、考え事にふけっていて転ぶ。今もひざが痛い。久しぶりに転んだ。映画のことを考えて、にやけていたからである。かように、いい気になった途端、制裁が加えられるのだ(笑)。

忘年会は楽しかった。番組が好評のようで、みんなが嬉しそうで盛り上がる。よく知っているひとばっかりだったので、故郷(ないけど…)で、飲んでいるようで、とてもリラックスできた。フリーでひとりぼっちの時間が長いから、気の置けないひとたちとなごやかな時間を過ごせるのはとても嬉しい。なので、珍しく二次会もいった。

帰宅後、ポール・ハギスが製作を手がけた「ラストキス」という映画を見る。イタリア映画のリメイクらしいが、退屈な作品だった。アメリカでの評価がどうだったのか知らないけど、自分としては、ダメだった。途中で「だめ」とわかった時点で、どこがだめなのかを考え始める。他山の石なのだ。

主人公は、29歳の建築家で、同棲中の彼女が妊娠し、結婚することになる。彼女は、美人で性格がよくて、理想の相手だと思っている。ところが、男友達の結婚式で、魅力的な女子大生と出会う。で、ついその女子大生と浮気して、それが婚約者にばれて、ひと騒動あって、結局、元の鞘に戻る…というのが大筋である。

このあらすじを面白いと思えるひとには、脚本の破綻はないのだろう。主人公の男友達、数名のそれぞれの恋愛事情や、婚約者の両親の離婚騒動などをからめ、「結婚ってなんだろう?」というテーマにしぼられてはいる。

が、そのテーマそのものに興味がないと、見ていられない…ということになる。脚本の失敗ではなく、私の好みに合わないテーマだった…ということなのかもしれない。私は「愛はひとつ」とか「愛は永遠」てきな結末に持って行くもの、割とすべてがあまり好きじゃない。嘘だから。

タイトルのラストキスは、これが最後の浮気のキスという意味らしい。彼女と出会って三年、彼女が妊娠三ヶ月で、一度目の浮気をしているのに、残りの40年、無傷でいられる…と本気で思えるだろうか。私は思えないなー。それがラストキスだなんて、思えない。

だから結婚しない…という結論がいいとも思わないけど、自分は、「なせ、一夫一婦制じゃないといけないのか?そんなに浮気は悪いことなのか?」と問いかけずにはいられない。なぜ、一夫一婦制を自明のもとして、そんなに簡単に受け入れるのか。これほど、離婚や浮気が多い世界で、それを批難する前に、その基準そのものが間違っているのではないか?と問いかけなくていいのだろうか。

現実に問えないからこそ、フィクションで問うべき…と思ってしまう。しかし、この映画は、「やっぱり、君が一番だよ!」と元の彼女の元に戻って終わるのだ。しら~っ。監督は、「ゴースト・ニューヨークの幻」のひと。(名前、記憶せず)。ゴーストって、かなり前に大ヒットした、恋人が死んで、幽霊になって会いに来る話。いわゆる純愛映画の決定版みたいなもの。陶芸をやっている女性を後ろから抱きしめるシーンがやたら、宣伝に使われていた。なにか音楽もヒットしていた。(見てないから知らないんだけど…)。

ポール・ハギスは、「クラッシュ」の監督なので、期待して見たんだけどなあ。「ゴースト」の監督作だと知っていたら、見なかったよなあ。

ということで、クリスマスにふさわしい、愛に満ちた!映画を思わず、見てしまった。口直しに「ジャーヘッド」を見ようとしたけど、真夜中に半睡状態で見るにはきつい作品なので、断念。これを書いて寝ようと思っている。

年内、まだまだ働くぞよ。