山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

映画「気球クラブ、その後」

DVDにて、「気球クラブ、その後」を見た。

いったい、どんな話が始まるのだろうというわくわくする前半。いろんな人物が入り乱れて、それぞれが適当にいいひとで、適当に社会からずれていて、彼らを結びつけるのは、「気球」である。にもかかわらず、その「気球」に対してだって、それほど熱心なわけじゃなく、なんとなくつるんでいただけの集まりだったのだ。

そういうゆるい集団の空気を絶妙にすくい取っていた。いわゆる青春のころって、誰でも少し、こういう「夢」みたいな世界に憧れ、触れる。具体的に言えば、気球クラブに入って、活動したりするのだ。その一瞬の輝きをとらえたような映画。その瞬間を担っていたのは、気球に本気のリーダーだけで、その他はみんな、なんとなく集まり、なんとなく散っていくのだ。

ひとつだけ不満があるとしたら、最後にメッセージの内容を教えてくれなかったことかな。まあ、知らなくてもいいかという気分にもなる一方で、最後にメッセージの内容で、「ぐっ」ときさせてほしかったような気もする。

始まり方の過剰さ、異様さに慣れてくると、案外オーソドックスな作品であることに気づいた。見ている間は、目が離せなかった。

映画は自由だなあ。