山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

話し言葉を取り戻せ。

気づきませんでしたが、今日は休日で春分の日(?)だったようですね。

今日は、衣装合わせと小ロケハンでした。衣装合わせとは、前にも書いたように思うけど、俳優さんたちが、映画のなかで着る服を選んで、合わせて見る会みたいなものです。次々と出演者がやってきて、役柄にあった服を着ていきます。衣装さんが用意してくれるのを、選んだり、組み合わせたりします。
そのあと、髪型、メイク、小物などを決めます。

こうして、映画の中の人物像を作り上げていくんですね。脚本だけではわからなかった、「その人像」ができあがっていくわけです。脚本段階で考えていたイメージと違うこともあるし、ふくらむこともあるし、で、なんでも実際やってみないとわからないわけです。映画は実体を撮っていくわけですからねー。

言葉の上では成立していても、現実なるとズレを感じることもありますから。

最近、ようやく、「物書き」キャラから「演出」キャラに移りつつあります。いろんなひととたくさん、大事なことから無駄話まで、話せるようになってきました。「ひとと話す」ってことにも「慣れ」が必要なんですねー。物書き生活だと、何日、いえ、何週間もほとんど人に会わず、会話もせずに過ごすことが日常になり、「話す」という伝達手段を忘れるんですね。その時期の自分にとって、「書き言葉」がすべてとなるので。なんでもメールですむし、買い物もネットでできるし、もちろん、原稿を書くのも声を出す必要がないし。そして、誰とも話さない…という状態にすっかり慣れてしまい、別に話さなくていいというキャラになるんですね。

しっかし、演出の仕事のときはそれではまずい。自分がなにをしたいかを次々に伝えていかないと。ひとりきりで作っているなら、全部ひとりでやればいいんですけど、(まあ、小説はそういうもんだけど)、映画はたっくさんのひとがかかわっているから、ひとりひとりに、ちゃんと伝えていかないとできないんですね。

今の自分の仕事って、「伝える」「決める」のふたつかもしれない。大きくわけて。これ、非常に重要で、案外、難しい仕事なんですよー。

というわけで、疲れているので、眠ります。明日も衣装合わせでございまする。