山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ひやっほい!



うひゃー。今月号の「クロワッサンプレミアム」です。

このなかに、自分の映画評が載っております。こんな感じ。



書いて下さったのは、社会学者で東大教授でいらっしゃる、
上野千鶴子さん。

(自分、上野さんの生徒じゃないから、先生と呼ぶのもなんなので…「さん」づけでいかしてもらいます)。
非常に嬉しい。

エライひとに、褒められたから喜んでいるのだな、あさはかな奴め…と思われるかもしれませんが、確かに上野さんはエライ方でいらしゃいますが、エライからだけじゃないんです。やはり、歴史というものがあります。

まず、自分は、富岡多惠子さんという作家が、日本の小説家のなかで、一番好きで、尊敬しております。大学生の頃に初めて読み、それまでの読書体験をひっくり返された…というか、初めて、自分にぴったりする作家さんに出会えた…と思った方であります。

以来、富岡多惠子さんの本は手に入るものは雑誌の記事も含め、全部集め、全部読みました、読み続けましたことよ。全集を持っているのは、この方だけですし、今も追っかけております。

で、上野さんとの最初の出会いは、その富岡多惠子さんの小説の文庫の解説が上野さんだったのです。社会学者が小説の解説をするのはめずらしかったかもしれませんが、また、この解説にもしびれ、ううむ、どうやら、自分がそれまで、「文学」と信じてきた領域以外で、ずいぶんと、あつくて新鮮な議論が闘わされているようだと知った次第です。

それより前に、上野さんの鮮烈なデビュー作「スカートの下の劇場」は読んでいたかもしれませんが、文学とつながったのは、その解説でした。

で、次が、「男流文学論」です。これはーしびれましたよ。

ものすごい作家を相手に、どんどんじゃんじゃん、斬っていく。その切れ味のすばらしさ。かっこよさ。とても自分ごときは口に出しても言えないと思っていたことを、冷静に言葉にしていく作業に打たれました。あまりに打たれたので、番組にしようとさえしました。もちろん、テレビでできるはずなかったんですけどね…とほほ。

そういう歴史があってですね、自分の書いてるものをいつか読んでもらいたい、届けたい、とずっと思っていたわけです。きっとわかってもらえるんじゃないか…って思っていたんです。それで、上野さんには、献本を続けていて、感想をいただけるようになり、ついに、「すべては海になる」の文庫の解説を書いてもらえることになり、それで、映画も…!!

ものすごく長い歴史があるんです。出会いから25年くらいたってます。

「サヨナラ…」っていう映画の出会いと別れくらいの時間です…笑。

なので、浮かれて、喜ばせて下さい。

これまで生きてきて、「あー生きてて良かった」って思えることいくつかありますけど、確実にそのなかに入ります。

死ぬ前に「生きててよかったリスト」を書くかもしれませんが、確実に入れるんです。

…ということで、うれしい日曜日。

生きててよかった……。