山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ADならクビ

今日は、一日、家にいた。

家にいられると、人生を立て直せるというか、大げさだけど、いろいろ整理できて、ほっとする。真夜中に仕事して、昼間、打ち合わせに出ていると、頭のなかがこんがらがってくるからね。

立ち止まって、整理しないと。

パソコンができて、メールもネットもあって、携帯電話も高機能になっているのに、全然、忙しさは変わらない。
どーしてなの?って誰かが聞いていたけど、そう思う。ものすごく、便利にはなっている。けど、暇にはならないよね?どーして?

今日、法人税をe-taxで治めようとしたら、ダメだった。…(ちなみに、e-taxはネット振り込みで税金を納めること)。登録しないとダメなんだって。知らなかった。その上、登録してから実際、使えるようになるまで、2~3週間かかるんだって。平然と税務署のひとに言われて、あわわ…となった。

しかたないので、普通に郵便局まで行って、支払った。なんかなー。税務署からの請求書には、e-taxで支払えます!!って、むしろ自慢気に、むしろ、おすすめ風に書いてあるけど、登録しないとダメとか、登録後、2,3週間かかるなんて、ひとことも書いてない。おすすめなら、ちゃんと書いておいてほしいよ。これが、テレビのADならクビだよね。言われないとできないのか?って怒られる。

さすが、税務署は、大名仕事だよね。不親切でも、記述があいまいで混乱してても、当然!って感じだもんなー。

と、書いて思うのが、自分の仕事の基準に、「AD」ってもんがあるっていうこと。やはり、自分、テレビ育ちで、就職して初めてついた仕事がADだったから、卵からかえったヒナが最初に見た者を親と思うように、自分の体のなかに、仕事の基本はADというのが、すり込まれているのかな。

ADの仕事はキツく、幅も広く、忙しく、なおかつ、報われず、給料も安い…といった、割と底辺の仕事である。いいことはあんまりない仕事。それを基本と思っているから、仕事に対する要求度が高いのかもしれない。時々、全然関係ないのに、「ADだったらクビだよな」と思うこと、あるもん。

だってね、今、自分と仕事している、ADさんたちは、すこぶる優秀なんですよ。こっちが指示しなくても、期待以上の準備をどんどんやっている。言われて動くのは遅い!という基本がたたき込まれているんだよ。e-tax、2,3週間かかります~ぼよ~ん…とか言ってられないもんな。「もう、いいよ、来なくて…」って言われる。

みんな、なにかしら、そういう基準を持って、生きて居るのかしら。

たとえば、オリンピックで服装が問題になっていたけど、あれがNGなら、テレビのひとはほとんど、出場停止だ。つまり、オリンピックなら、クビだよね…ってことになる。

そういう風に考えたら、税務署のひとにむかって、ADだったらクビだよねって思うことは、ほとんど、意味ないか。なぜなら、彼らはADではないのだから。

私もまあ、銀行員だったり、主婦だったりしたら、すでにクビだろうし。っていうか、入れないけど。

なわけで、自分の身の丈にあったところにいるのが、幸せかもしれない。自分のままでいても、クビにされにくい世界。そういう場所は、ピンボールのボールみたいに、あっちの壁、こっちの壁にぶつかりながら、得点も入れつつ、進むことでしか、辿りつけないような気がする。

自分の人生にも、いくつもの別れ道があって、常にどっちかを自分が選んできたんだよな。選択しつづけてきた結果、コレ=今の自分、だもんな。

朝早く起きなくていい方、同じ場所、同じメンバーのいるところに長期的に通わなくていい方、集団で動かなくていい方、そういう方向を選んできたのだよ。その結果、ここにいるのであった。

選択の都度は、それがそんなに大きな流れを作っているとは気づかず、ひとつひとつ決めている。結果、知らないうちに、こういう大結果がでたのだなー。

ぼんにゃり。
おやすみ。

今日はここだけの話、深夜の書き物…休ませてもらおう。まだ、もう一日あるし。ねむいんです。