山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

映画「マイ・プライベート・アイダホ」

ガス・ヴァン・サント監督「マイ・プライベート・アイダホ」をDVDで見ました。

ううむ。このガス・ヴァン・サント監督は、映画通のなかではかなり評価の高いひとであるし、数々の有名な映画祭の受賞者でもあるけれども、なかなか、自分はすんなり入れないところがある。

ショーン・ペン主演の「MILK」が良かったので、もう少し、この監督を追いかけようと思った次第。

しかし、すでに、

「ドラッグストア・カーボーイズ」「グッド・ウイルハンティング」「エレファント」「カウガール・ブルース」「パラノイド・パーク」

などは見ていたのだった。

なかでは「MILK」が1番好きかな。好きになれるものを探して、本作を見たわけです。

映像の奇妙な美しさ、ドキュメンタリーかと思わせる自然すぎる芝居、ドラマチックな展開を好まない(ようにみえる)ストーリー展開など、刺激的ではあるし、映像を仕事にするモノにとっては学ぶところも多い。

「マイ・プライベート・アイダホ」は、今は亡き、リヴァー・フェニックスが主演。彼が、アイダホ出身の男娼を演じている。そんな彼の男娼仲間をキアヌ・リーブスが演じているんですねー。わー夢の共演だわ。

ふたりはゲイなのか、お金のために単に体を売っているのか、微妙な感じで、ふたりが愛し合っているかどうかも定かではない。ポートランドの町の廃墟のようなホテルに暮らし、日々、体を売ることで生きている少年たち。

91年の作品なので、その後、リヴァー・フェニックスが命を落とし、キアヌ・リーブスは、「マトリックス」で大当たりして、その後は、ハリウッドスターとして躍進することを思うと、なんだか、予言的な映画でもある。

もちろん、俳優の私生活と作品の設定を重ねてみるのは、あまりいい趣味ではないと思っている。

しっかし、「恋愛適齢期」でキアヌ・リーブスが演じた、年上の女性(ダイアン・キートン)に恋する青年を快く思っている身としては、

「おお、昔はこんなにワルだったのね。今はいい男になったねえ。ちゃんと更正したんだねえ」

なんて、ついつい思ってしまう。

リヴァー・フェニックス演じる少年は、ナルコレプシーにかかっている。ストレスがかかると、急に眠ってしまうのだ。この病気も、この映画が公開された当時は、それほど知られていない分、センセーショナルだったのかもしれないけど、今や、市民権を得たようで、すんなり見られた。

が、なにがストレスでなにがいやなのか…ってことをわかりやすくしているのかもしれない。苦手な客を相手にすると、失神してしまうなんて……平気なふりをしていても、体を売ることは、やっぱりきついことなんだ。

どこかが少しずつ壊れるような。

90年代に、ストリートで体を売っていたふたりの美少年。彼らは今、どこにいて、なにをしているのだろう。

その時のことより、未来が気になってしまった。90年代って、日本でも援助交際が大きく取り上げられていたけど、世界的に、少年少女が、売りにでていたのだろうか、なにか、そうさせる流れがあったんだろうか。

もはや、男娼の存在だけでは、驚きを呼ばなくなったように感じるのは、自分が年をとっただけなんだろうか。

90年代にストリートにいたコたちは、もう30代の中頃だもんなー。なにを思っているだろう。

まとまらなくてすみません。