山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

シェイクスピア&カンパニー@パリ

そろそろ、パリ出発の準備をしている。

今日は、「シェイクスピア&カンパニー」というパリにある書店のことを調べていた。

この書店、ウエブサイトがとてもかわいい。著名な作家の似顔絵や文章や、いろんなものがコラージュされていて、見ていて飽きない。

ところで、パリなのに、なぜ、シェイクスピア?と不思議に思うかもしれない。

ここは、パリに移り住んだアメリカ人、シルビア・ビーチというひとが始めた店だからだ。1919年(!)に、文学好きだったビーチは、英語の本の必要性を感じて、パリで書店を始めたという。

その後、この書店は、パリに滞在していた英語圏の作家たちのたまり場になった。スコット・フィッジェラルト、ガートルドスタイン、エズラ・バウンド、などなど錚錚たるメンバー。

ヘミングウエイもこの書店のことを書いているそうだ。

ジェイムス・ジョイスの「ユリシーズ」がスキャンダラスだと、出版社から拒否されたとき、ジョイスのために出版資金を出したのもビーチだったという。

なんだか、わくわくする話でしょ?

以上は全部、「シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々」という数ヶ月前に読んだ本に書いてあったんだけど。

この本は、カナダ人の新聞記者がカナダから逃げるようにパリにやってきて、シェイクスピア&カンパニーに泊めてもらって過ごした日々のことを書いている。

これが、なんとも楽しい本だったので、パリに行ったら、行ってみたいなーと思っていた次第。

書店は、現在は、二代目になっているけど、貧しい作家や詩人たちは、ここに無料で泊まって、食事もできる。本屋さんを手伝いながら、小説や詩を書いて過ごすのだ。

しかも、文字通り、本屋さんに泊まるわけ。ものすごい数の本に囲まれた、店の一角で眠るんですよー。

文豪たちのささやきが聞こえてきそうな本棚の下でね。

この二代目の店主のホイットマンさん(かなりのご高齢)のキャラクターがとても魅力的。そこに世界各国からやってきた、作家や詩人の卵たちが、数名で暮らしながら、本屋さんをやっているわけです。

朗読会とか読書会とかも頻繁にあって…。昼間は本屋の店番などをして、夜は、バーで文学談義。

「文学」とか「作家」って言葉にある種の憧れを持ったことのあるひとなら、とってもしびれるお話ではないですか。

懐かしいような、切ないようなお話。

私の場合は、まさか、無料で泊めてもらおうなどと、大胆なことはちっとも考えていず、単に見学するだけです。

自分の本は、韓国語と中国語には翻訳されているものもあるけど、英語になっているものはない。(映画は英字幕つきはあるけど…)。

英語に翻訳されてたら、ぜひ、一冊、置いてきてみたいけど、いつか、それが叶ったらいいなと夢見て、今回は見学だけしてくる。

英語に翻訳されるのを目標にがんばりましょーという気持ちになりました。