山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

日本人は変わったのか。

ロンドン33日目。

今日は特別なことはなにもない一日。

昨日、アニマルホームで一日働いて疲れていたので、部屋でゆっくりすることにして、早めに帰ってきた。

ランチは、一緒の学校のポーランド人と食べた。fish&chipsが食べたいというので、すでに4軒くらい制覇している私のおすすめの店に一緒に行った。

このポーランド人、すごい映画好き。ワルシャワ映画祭で、26本も見たという強者。

日本映画にも詳しくて、ひとしきり、「おくりびと」について語られた。

「ワルシャワではあなたの映画はやらないのか?」っていうから、「呼んでください」と一応頼みました。

弁護士さんだし、なんか、つてがあるかもしれないもんね。

このポーランド人も言ってたけど、英語学校にロシア人が多いことに驚いたって。私もそう。

半分以上がロシア人。ビジネスマン、学生、中年の女性と、いろいろいらっしゃる。

やっぱり、ペレストロイカ以降、急激にロシアは変化しているんだと思う。とにかく、すごくリッチな奥様とかもいらっしゃる。全身、ブランドモノだったり。

男性は圧倒的に、ファイナンシャル関係と、資源関係。ロシアの豊富な資源を世界中に売るのでしょう。

このひとたちは、30代前半くらいで、みなさん、とてもアグレッシグ。

これから、儲けてやるぜ、資本主義を謳歌するぜ、って気迫がある。

一方、日本人はほとんどいない。一昔まえは、日本人だらけだったらしいけど、まず、若者、学生はゼロ。日本の会社から派遣されたビジネスマンが少々いるけど、彼らはいつもグループで固まっておとなしい。

日本ってホント、変わったんだと思う。

街にでると、アジア系では、圧倒的に中国人が多い。ブランドものの店で買い物しているのはみんな、中国人だ。

ルイヴィトンのバックを持って、きれいにメイクしている女性を見ると、「日本人かな?」と思うけど、ちがう。中国人か韓国人だ。

家族連れか友達同士か、グループでわいわいやってる。カメラぶら下げて。

たぶん、ひと昔前の日本人がそうであったように。むしろ、懐かしい光景だ。

本当に日本人は、海外に行かなくなったんだなあ。ハーバード大学の留学生にしろ、ハリウッドの俳優志願者にしろ、日本人はほんとに少ない。

ハリウッド在住の女優さんも言ってた。韓国系と中国系の俳優はたくさんいて、グループを作って、オーディション情報をやり取りしているけど、日本人俳優は全然いないので、情報が入らないとのこと。

このように、各分野で同じことが起こっているんだなあと思う。

要するに、若いひとが、海外に行かなくなった。

ポーランド人の弁護士さんからも、「日本人は変わったっていうけど、ホント?」と聞かれた。

たぶん、ホントに変わったんだと思う。

80年代~90年代にかけての熱に浮かされたような、お祭り騒ぎ。その渦中にいた自分には、にわかには信じがたいけど、今のひとは、ほんと、まったりしているのよね。

欲望は減り、刺激より穏やかな暮らしを求め、大きな夢を抱かず、静かにしている。

これって、日本が成熟したってことかな。

国全体が成長するときって、今の中国やロシアのように、国中のひとが、熱気をもって、世界中に飛び出していくんだよね。そして、結果的に、大きな経済成長(経済だけじゃなくて、たぶん、文化面も)を遂げる。

その間も、日本では、引きこもったり、ゲームやったり、うち飲みしたりして、まったり、静かに暮らして行くんだわ。それもいいような気もする。

というわけで、今日は部屋で過ごしたので、クリスマスカードを書きました。ただし、アドレス帳を忘れた上に、宛名職人が、新しいMacに対応してなくて、開けず、いっさいのアドレスがわからないので、限られたひとたちのみでした。

でも、部屋でまったりするのも楽しいのでした。