山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

世界共通のもの

ロンドン34日目。

今日もまた、静かな一日。写真も特にとらなかった。

学校に行って、また、ポーランド人とランチに行って、そのあとは、撮影用の機材を見に行った。

三脚などは、ロンドンで買った方が安い…と聞いてきたので、実際に見に行ってみた。

インターネットで調べたら、ちょうど、うちの近所に機材屋さんがあった。

(近所といっても、地下鉄にのって20分くらいはかかる)

行ってみると、小さなオフィスで、いわゆる「小売り屋さん」ではない。

アパートのなかの一室。

ちょっと躊躇したけど、「国はちがっても、同じ業界人、なんとかなるだろう」と扉をたたいた。

(正式にはインターホンを押した…)

すると、ドアがあいて、なかに入れた。

廊下を歩いて、小さなオフィスへ。

そこは、見覚えのある空間だった。はじめてなのに。

そう。どこかの技術会社みたいだったから。

あ、技術会社っていうのは、撮影を生業とする会社のことで、カメラマンとかVEさんとかが所属していて、カメラはじめ、機材がいっぱい、置いてある場所です。

そういうのって、国境はないのよねー。

で、すっかり緊張がとれ、こちらの用件を話す。

最初、アジア人のおばさんが、なんで、こんなプロフェッショナル相手の機材やに来てるんだよ?っていう、めずらしいものを見る視線を感じたけど、ちょっと話したら、すぐ理解してもらった。

私が買おうと思っていた三脚は、今すぐにはなくて、倉庫から持って来るそうで、2日かかるとのこと。そこらへんのことを相談して、名刺をもらって帰ってきた。

対応してくれたおじさまも、技術系のひと!って感じがにじみ出ていて、日本で長い間、一緒に仕事してきた、技術会社のひとたちの“誰か”に似ている。

いや、もちろん、金髪にブルーアイで、いろいろ違うんだけど、醸し出す空気は同じなのよね。

具体的な“誰か”ではなく、ある雰囲気の総体のようなもの。

これはハリウッドに行ったときも感じた。

プロデューサーって、一目でわかるし。(たいてい、携帯電話でひっきりなしに話してる!で、ちょっと悪そう…笑)

監督と脚本家は、似てるんだけど、(同じようにラフなスタイルで、自分勝手そうで、年とってても、少年ぽさを残してる…)、ちょっと、内向的に見えるほうが脚本家なだよねー。

不思議です。

そんなわけで、初めて行ったのに、初めてじゃないみたいな技術の会社に行ってきました。

あさってはカメラマンと打ち合わせ。撮影の準備に入ります。

ロケすると、とたんに、自分らしい気持ちになるから、これも不思議です。

たぶん、表情も言葉遣いも変わるんだよなあ。人格も変わるのでした。