山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

正論のうつろいやすさ

以前、婚活を必死にしている女性に、

「恋愛して好きなひとができて、それで結婚するほうがいいんじゃないの?結婚ありきでスタートするのは理解できない」

…と言ってしまったことがある。

当時は、結婚=好きな人とするもの…とかたくなに信じていたので、自分の考えが間違っているとは思わなかった。

が。

その話を聞いていたひとが、「君の言っていることは正論だけど、恋愛→結婚という流れに乗れないひとが他の方法で相手を探そうとすることを否定することはできない」と言った。

そうか、そう言われてみればそうだ。

さらに今なら、恋愛→結婚、を正論とする根拠のなさがわかる。

結婚は、恋愛の先にあるものばかりではなく、見合いやら、政略結婚やら、女のひとが食べて行くために必要だったし、子孫をのこすために必要なシステムでもあった。

それが、一時的に恋愛の先にあるもの…と1970年代くらいから盛り上がったのかもしれないけど、それが「真実」ってわけでもない。

恋愛の先に結婚するひとがいてもいいし、子供を持つため、生活のため、老後のため、みんなするから、なんでもいいから…など、結局のところ、人間の営みは自由であるわけだ。

自分は恋愛に重きをおく人生だったけど、それだって、80年代以降の流行に乗っていただけかもしれない。

今、その流れは終わり、もっと合理的な結婚観が生まれているのかもしれない。

個人的には、今でも恋愛の先の結婚(一緒に暮らすこと)がいいと思うけど、でも、もっと合理的な結婚があってもいいだろうし、この世は恋愛がすべてじゃ、全然ないことも最近よくわかってきた。

えっと。

何が言いたいかというとですね、たとえば、お金に関しても、自分は働くのが好きだし、自分で稼ぐってことが大事だと思っているけど、この世界には、「なるべく楽して他人からお金をかすめとるのが一番賢いやりかただ」と思っているひともいるってことでした。

なかなか、そちらの正義を理解できないけど、お金儲けにルールなし、と考えているひとにとっては正論なんだろう。

これを恋愛に置き換えるとよくわかると思ったんです。

私は、恋愛にルールなし、って思っていて、対象のひとが既婚者でも彼氏もちでもひるまないタイプでしたが、「それは倫理に反する」って思うひとだっているわけだ。(そっちが多数派なのか?)

いえ、先日、編集系の女性2名と飲んでいるとき、自分の過去の倫理観を遡り、ふと思ったんです。

自分は人間の関係における古典的ルール(結婚制度とか)について、比較的「破っていいもの」「むしろ、破れ」と考える人間でした。

しかし、「仕事」「お金」などに対しては、割とまっとうというか、不労所得をよしとしない派でした。

けどさ。

お金について倫理観のない派閥のひとたちだっていて、その人たちにとって、お金を得るってことに対して、ルールなし!って思っているんだろうなーってことに初めて、思い至ったんでした。

なかなか、想像できなかった。

そのひとたちにとっては、お金を得るってことは、ルールなんて守っていたら、儲かるわけないんじゃん、バカとちがう?ってことなのかなーって。

人生、後半になって気づくとは……。

とほほ…笑。