経済学をテーマにした、テレビ番組をつくっております。
経済学ほど、自分の人生に遠いものはありませんでした。
これまでの人生で、経済的合理性にのっとった選択は、1度もしたことがない。
自分の体のなかに、経済学的指標がほとんどなかったのであります。
にもかかわらず、学んでみると面白いものでございます。
「囚人のジレンマ」とか「勝者の呪い」とか「共有地の悲劇」とか、ドラマのサブタイトルみたいな用語がばんばんあるんですねー。
(なんか、全体、西部劇っぽいタイトルですねー)
考え方、そのものも、自分にとって未知の道筋だったので、新鮮でした。
最近はすっかり、「日本の人口の行く末を見ると…」とか「金利が下がって…」とかいっぱしのことを語っております。
実は、わたくし、人生の岐路に立ったとき、経済的合理性で判断したことがありませんでした。
すべて、感情というか、その時の思いつきだけで行動して参りました。
不動産なども結構売買してきたんですが、それもすべて行き当たりばったりで。
でもあんまり損したことなかったんです。振り返ってみると、案外、合理的だったか?
というか、最近覚えた言葉でいうと、自分は「最適ポートフォリオ」を実践していたのだーと思いました。
最適ポートフォリオとは資産を持つ時、リスクを分散してもつようにすることらしいです。
不動産とか株とか貯蓄とか、資産を分散していれば、なにかあっても安全…という考え方です。
で、ふと思ったわけです。
自分の仕事は、小説を書く 脚本を書く テレビのドキュメンタリーや教養番組を作る
ドラマをつくる 映画を作る
などと分散しているわけですよー。
なので、いつも何かしら、お仕事を頂戴でき、なんとなーく生きてこれました。
「小説一本」「映画のみ」でご飯を食べていくのはたいへんです。それが可能なのはほんと一部の一握りの人に過ぎません。
かといって、テレビの一分野の仕事のみだったら、自分は、よそ見をしたくなったり、ストレスがたまったりして、きつかったと思います。
そのようにリスクを分散して仕事をしてきたのでありました。
そう、わたしは「最適ポートふぉり子」なのでした。
(「最適ポートフォリ夫」は男ですからね…笑)