山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

映画「旅するジーンズと16歳の夏」

細々と英会話に通っておりますが、一応テキストはありますが、基本、雑談です。

たいてい、昨日、何をしていた、とか、今、どんな仕事をしていたかってことが話題になります。

先日は、援助交際について説明することになってしまい、言葉を探すのがたいへんだったんですけど、でも、ちょうど、先生が30代くらいの女性だったので、とても盛り上がりました。

ヨーロッパ出身の女性からすると、日本の女性が行っているエンコーはなかなか理解できないようす。

なんでそんなことをするのか?と聞かれたので、私は「復讐」と答えておきました。

日本は戦後、頑張って経済大国になったけど、女性の扱いは相変わらず低く、フェアーじゃない、根が深い問題なんです。女を見ると値段をつけたがるおっさんがあまりに多いので、値段をつけられる前に、自分から売ってやるよ…というのがあると思う、と説明しました。

すると、先生は急に熱くなり、「わたし、大学生の時、日本から来たビジネスマンの集団の通訳をやったことがあるんだけど、いきなり、おまえはいくらか?って聞かれて、ほんとに腹が立った」と言い出しました。

あんなこと言ったら、逮捕ですよ、と。だから、私の説明に結構納得してました。

先生は、東欧にもたくさんの売春婦がいるけど、彼女たちは生活のためにやっているひとが多くて、いわゆるプロ。日本の場合はプロじゃないふつうの女性がやっているのが驚きだと言ってました。

すごい盛り上がってしまって、文法とかすっ飛ばして、熱く語りました。

……とタイトルとかけ離れましたが、今度は別の先生の回の話。(私の通っている英会話は毎回、先生が違うんですね)

その時は、今考えている小説の話をしていたのですが、すると、韓国系イギリス人の先生がこの映画を進めてくれたんです。

「SISTERS OF THE TRAVELING PANTS」

原題ですが、「あ、あれだな」とすぐにわかりました。

公開当時、見たかったけと、つい、見そびれた一本。

さっそく、HULUで見ました。

話が飛びますが、HULUに入ってたのに、すっかり忘れてて。もったいないことをしてました。

で、見ました。ワシントンに住む、生まれたころから仲良しの4人の少女の16歳の夏の話。

古着屋で見つけたジーパンを四人で一週間ずつまわしてはこうというもの。

で、このジーンズがいろんな出会いを運んできて…という展開です。

ちょっとできすぎの感じもするけど、10代の女子の元気っぷり、迷いっぷりが画面いっぱいに描かれていてほろりと来てよかったです。

女子の友情を描いたものでは、最近では韓国映画「サニー」がヒットしてますよね。

同じ韓国映画で「子猫をよろしく」も女子4人の話だったな。こっちのががぜん好き。

(子猫>サニー)

自分にも10代があり、女子の友達もいたのですが、ここまで親密な関係ってなかったなー。

16歳にもなると、たとえ友達でも深入りしない…プライベートには立ち入らない、という空気がすでにあって、仲良しなんだけど、映画に出てくるみたいな「友情!」って感じにならなかった。

いえ。もちろん、今でも仲良しの中高時代の女友達はいるのですが。

だから、自分などからすると、この手の熱い友情ものはちょっとファンタジーに見えます。こんな濃い関係の友達がいいだろうなーという反面、面倒だろうなーとも…。

一番女性の友達が必要だったのは、30歳から35歳くらいまででした。人生が一番波打っていたときだからね。

とはいえ、この映画、なんだかよかったなー。


ひとつは、4人のなかのひとりが、どこへも行かず(ほかの3人はメキシコにサッカー合宿にいったり、ギリシアのおばあちゃんの家に滞在したり、実父の家に行ったりする)、地元でバイトしてドキュメンタリー映画を撮ってるから。

この子が人生にいらだちながらも、ごく普通のひとの生活を映画に撮っているのがとてもよかった。

そして!

とある重要なシーンでこの子が着ていたTシャツがこれ。



なんで写真があるかって?

そりゃあ、もちろん、同じTシャツを私も持っているからなのだ!

これは2003年くらいにロンドンで買ったもの。

この映画は2005年公開だから、2004年くらいに撮影したのでしょう。

時期もあう。

自分としてはかなりお気に入りでしたが、16歳の女子が着るものだったとは…!

でも、なんだかうれしかった。16歳でわりと人生に絶望してて、バイトしてドキュメンタリー撮って、ファイナルカットで編集してる女の子と同じTシャツ持ってることが。

年齢とかどうでもいいじゃないかと思いました。

自分もまだ、16歳の夏をさまよっているようなものだからね。

絶望しつつも、カメラをまわして、編集して…。


せつない気分になりました。