久しぶりに(?)朗報。
前に角川春樹事務所から出した短編集「オトナの片思い」がまた、増刷された。
「増刷」
いつ聞いても嬉しい響きだ。
これは、石田衣良さんとか角田光代さんとかの著名作家も書いていらっしゃるので、その恩恵もある。
元の企画は担当の編集者(女性)と飲んでいる時に生まれたモノだ。
「大人になってからする、片思いはつらい…」みたいな話から。
自分は正直、「片思い」が苦手であった。
片思いでずっといる。静かに見守る…みたないことができない。
なんとかして両思いにもちこむか、ダメならさっさと諦める…。そういう風にやってきた。
日頃のだらだらぶりからは想定されにくいかもしれないが、じっとしていることができない。
だから、「マジソン郡の橋」(古すぎ?)みたいな、秘めた思いを抱いたまま死に、遺骨を蒔いてくれ…みたいなことに共感できない。
…なことしてるぐらいなら、家族を捨てて会いに行けばいいじゃないか…と思ってしまう。
思いを秘められない。面倒くさい。結果がほしい。ダメなら忘れる。
が。
だんだん年をとってきたら、片思いのままでいる…こともアリなんだ、とやっとわかった。
まず、コトを起こすには体力がいる。いろんなトラブルを乗り越える気力も財力も必要だったりする。
あと、たぶん、ひとさまに迷惑をかけ、傷つけることも多かろう。
ならば、そのような欲は胸に秘め、日常を乗り切っていく…というのもありかもしれない。
…そんな境地にたどり着いたのは、でも、数年前ですが…。
というわけで、自分なりの片思いを描いた小説です。
他の作家の方たちもそれぞれの「片思いのかたち」を書いていて面白いです。
自分のは、割と評判よくで、ラジオドラマになったりもした。
(作品、聞いてないけど…)
というわけで、新緑の季節にいかがでしょう。