山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

そんなことをしたら妻に殺される。

先日まで、ロサンゼルスでロケをしていました。

とあるアメリカ人に出演をしてもらっており、その方のスケジュールが16時~17時という限定的なものでした。

こちらのロケ条件からすると、17時~18時に、せめて、16時半~17時半に変更してもらえたら、なんとかなるので、交渉したのですが、

「金曜の夜なので、17時に仕事を終わらせなかったら、妻に殺される」とおっしゃって、変更は不可でした。
3ヶ月くらい前からの交渉だったんだけど、交渉している人がテーマを伝え切れていなかったのかもしれないので、仕方ないといえば仕方ないのですが、別の仕事が入っているのではなくて、家庭の事情というのが、日本とはずいぶんちがうなーとしみじみ思いました。

私の近しいひとは、年間休みが1日か2日くらいしかなく、最愛の犬が死んだ時もいなかったし、とにかく、家庭に何があっても、すべて仕事優先で、夏休みもないし、正月休みもないし、休みと名前のつくものはほとんどないです。

クリスマスにご飯を食べにいっていても、電話でトラブルが告げられると、フォークを置いたまま、行っていまいます。

ずーっとずーっと働いています。

妻に殺されるから、という事情で、スケジュールがぐちゃぐちゃになるのも困るのですが、でも、そういう理由で仕事を断れるというのはやっぱりいいような気がしました。

なんつーか、仕事が一番エライ、みたいな価値観って、満員電車に暇なひと、乗ってくんな、みたいなことにつながるし、子育て中のひとが、遊びに行くために、子供預けようとしたら、イヤな目で見られるとか、そうなっていくし。

仕事ならいいのかよってね。

関係ないけど(あるかな)、さっき、ピザ届けてくれたピザーラのお兄さんが、予定より5分くらい遅れたことをものすごく低姿勢で謝ってて、そんな別に、5分くらい、全然アリなのに、こっちが申し訳なくなった。

仕事なのに、ものすごくサボるひとがいたり、当日キャンセルされて、すごく困ったこともあるので、仕事さぼっていいとは思いませんけれども。

そんなことしたら、妻に殺される…みたいなことが仕事断る最強の言い訳になってる社会…もよいような気がいたします。