山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

休日の過ごし方。

高校生の時、校内雑誌の編集などをやっていた。

その時の特集で、先生たちに休日の過ごし方について、書いてもらったことがあった。

平日は授業や生徒への対応に追われている先生たちは、日曜日に何をしているのか。

私の企画ではなかったが、そこそこの興味を持って読んだ。

今でも覚えているのは、当時尊敬していた「生物」担当の先生の答えだった。

「朝から掃除、洗濯をして、次の週の授業の準備をしたら、短い一日はすぐに終わってしまいます」

とあった。当時は週休二日制ではなかったので、休みは日曜日一日きりだったのだ。

これを読んで衝撃を受けたのだ。

せっかくの休みなのに、掃除と洗濯と授業の準備で終わるなんて。

どこかに遊びに行くとか、もっと楽しいことはないのか。

ずいぶんとつまらない人生のように思えた。

が。

あれから何十年もたって、自分も当時の生物の先生くらいの年齢(もしかするとそれ以上かもしれない)になった。

すると、あの時の先生の気持ちがよくわかる。

私も今日は休みだったのだが、朝から掃除と洗濯をした。

夜には、少し仕事をして、仕事関連のメールを書いた。

どこにも遊びに行かず、客観的にはたいして楽しくなさそうな一日だった。

短い一日はこれで終わってしまうのだ。

けど、それで案外満足なんだな。

17歳だった自分には、掃除と洗濯だけのお休みなんて、あり得ないものに思えたけど、今はわかる。

これでいいのだ。

もちろん、平日フルタイムで働く先生たちと違って、自分なんてそんなに働いていないし、今日も録画してあった、ウディアレンのドキュメンタリーと「MOZU」の第二話を見たりして、それなりに「楽しい」こともしているのだけど、でも、一日、自分の家でゆっくり過ごす休日がなんとも楽しい。

犬が絡み合うのを見たり、夜はカレーを作った。桜エビを入れたサラダを考案した。

そういう静かな日々を楽しめるようになったのだ。

今朝、洗濯物を干しながら、ふと、高校生の頃を読んだ「休日の過ごし方」を思い出したのだった。

長く生きてわかることってあるなあって思いました。

とはいえ、平日はそれなりに変化に富んでいるので、お休みくらいゆっくりでよいのかもしれない。

先週は3日間、広島に行き、飛行機のなかから富士山の鼻先を見て、



広島焼きを食べて、



猫650匹いる施設へ行き、



超かわいい子犬に出会い、



広島空港で「レモンそば」なるものを食べたり、



情けなーい表情がたまらなく可愛い被災犬に会ったり、



…など、充実しているので、休日は平和でいいのかもしれない。

犬たちがピラニアみたいにケンカするのを楽しんだり。



もし、平日は毎日同じことの繰り返しだったら、やっぱり、掃除と洗濯だけじゃ退屈してしまうかもしれないな。

高校の教師というのも、なかなか、平日は激しいものだろうから(高校生なんてロクなもんじゃないから、その相手をするだけで、ハードだろう)、日曜くらい、なにもなし、が良かったんだろうなあ。

今頃、ゆっくり理解している。