山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

謹賀新年

あけまして おめでとう ございます。

新年の挨拶、遅れました。

年末にひき始めた風邪が本格化し、大晦日からお正月中、ずっと伏せっておりました。

三が日が明ける頃になって、ようやく、pcを開く体力が戻ってきたくらいで…。

いやー、2015年の総括とか、2016年の抱負とか、考える隙もないまま、ただただ寝てました。

寝ている間に、「ミスターセルフリッジ」というイギリスのテレビドラマを1シーズン、全部見ました。10話。

ロンドンにある、老舗デパートセルフリッジを作った、ハリー・セルフリッジさんの物語。

セルフリッジは、ブリジット・ジョーンズも愛していたデパートで、私もロンドン滞在中は、楽しくて何度も通いました。

イメージでいうと、伊勢丹みたいな感じかしら。

このドラマ、展開が早くて、次々と事件が起こるので、目が離せませんでした。

イギリスで視聴率27%というのもうなづけました。

このドラマは、セルフリッジというひとつのデパートの誕生、成功の物語なんだけど、同時に、20世紀を象徴する物語でもあるんだなあとしみじみしました。

デパートっていうのは、「消費」の象徴で、人々は、「何かを買う」ってことに非常にワクワクしたってこと。

まだ、女性達の服装はオーダーメイドばかりで、既製服もなかった時代。

もちろん、選挙権だってなかったんですねえ。

デパートで香水から下着から傘まで、あらゆる商品が売られて、庶民も買えるようになっていく。

もっとたくさん買いたいから、頑張って働く、という時代。

登場する女性たちが、新しい商品を見て、目を輝かせて、それらを手に入れるために頑張る、って無邪気に信じる姿に懐かしさを感じました。

もはや、なにかを買うために、頑張るって、気持ちがなくなってしまい、

そもそも、それほど欲しいものものなく。

すずらんの香りの香水もステキだし、シルクのスカーフも美しいと思うけど、目を輝かせることもなくなってしまった。

ドラマとして楽しく見たけど、同時に、ドラマの登場人物みたいにわくわくできない自分をさみしく思いつつ。

あと、ミッシェル・ウエルベックの「地図と領土」を読みまして、これが、なんだかよくわからないまま、どよーんとさせる読み心地でして。

ウエルベックさんのファンで最近も「服従」をびっくりしながら読んだのですが、「地図と領土」はわからん。

風邪で頭がぼんやりしていたせいもあり、混乱しました。

…という、2016年の幕開け。

もはや、焦らず、のんびり、ゆっくり、ゆきたいと思います。