長い間、生きてきて、いやになってしまうことや、漠然と落ち込み、深い穴から出て来れなくなることがよくある。
よくあるけれども、一方で抜け道についてもたくさん、知るようになる。
私の場合は、
1)まずは環境を心地よくする。
おいしいものを食べたり、部屋の温度を適温にする、暖かいお茶を飲む。
お風呂に入る。眠るなどの基本的な生活を整えること。
(アルコールはほんとはあんまりよくないよね)
2)芸術に慰めてもらう
芸術って苦しみの果てに生まれたりすることが多いので、再体験することで、慰めを
得ることができる。
悲しい小説を読むとと悲しみから救われたりする。というか、優れた作品だと、
優れているそのことそのものに、慰められ、励まされる。
3)ひとと話す。
フロイトが登場する前から、ひとは精神分析もカウンセリングも勝手にやっていたの
だと思う。
主婦たちは井戸端でその日にあった、いやなことをしゃべりまくり、憂さをはらす。
サラリーマンは、赤のれんをくぐり、同僚と上司の悪口を言い合うことで、胸の
つかえを流す。
そんなわけで、今夜は久しぶりに長電話をしてしまった。
こういう時に長い時間、こっちのくだらない話を「うんうん」「わかるわかる」と言って聞いてくれるひとがいるのは、ほんとうに幸せなことだ。
話しているうちに、自分がとらわれていたことが、卑小でとるに足らないことに思えてくる。さっきまでは死にたい気分だったのに。
とても原始的だけど、血の通った方法だ。
おかげで、夜を乗り切ることができる。
そういう友達をもてただけで、ラッキーだと思うことにしよう。