山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

昔の彼に会うとき。

週末、泣き暮らしていたので、目が腫れ、おまけに目の下にクマがくっきり浮かびあがり、すっかりよれよれになってしまいました。ので、このままではいけないと、エステサロンにお出かけしました。(単純です)

でもって、抗酸化トリートメントなるものをやってきました。なんかよくわからないけど、「ヨイ」というので。実際、なかなかよかった。やさしいお姉さんの手で、一時間くらい、顔のすみずみをマッサージしたり、なにやらぬりたくったり、光を当てたりして。ちょっと色が白くなったように思ったのは、プラシーボ効果でしょうか。

テーマはそんなことではなく、エステの待ち合い室で「STORY」という雑誌を読みました。これはですね、「JJ」のお姉さんのさらにお姉さんの雑誌ですね。40代のリッチ志向おしゃれ奥様向け。都心に暮らしている、生活レベルの高い主婦で、でも、時々お仕事もする(ちょいキャリ、なんて呼んでますね)ひとたちが主な読者です。(と、想定されている)

で、ですね。巻頭特集が「再会の時の服」ですよ。え、意味わかりますか?つまり、昔の彼に再会するとき、あるいは、同窓会などで、昔ちょっと気のあった男(もしくは、向こうが自分に気のあった男)らに再会するときに、何を着て行くか、を特集しているわけ。

いやあ、あっぱれです。知らないうちにとんでもないことになっていたんですね。でもって、最初にお薦めしている服が、上品な白のブラウスに仕立てのよい黒のスカートだったりします。うう。なんと心憎い選択なのでしょう。物欲しげに思われないために、いたずらに、露出度の多い服などは着ないんです。あくまで、「わたしは、幸せな結婚をしていて、なに不自由ない暮らしをしているの。夫にも愛されているし、子供も私立の中学に通っております」を演出。

だったら、なんでそんなにきれいに見えるように目論んで、服選びに悩むんだよ、とツッコミたくなりますが、例え40代になっても、男の前ではがつがつせず、男から誘われる女でいよう、が「JJ」から延々続くコンセプト、というより、DNAなんですねえ。

けれども、「お嬢さんらしさ」が売りの「JJ」がすでに、「金持ちのいい男を捕まえよう」が真のコンセプトであるように、主人公は40代になっても同じです。お金持ちのいい男とまた、遊びたい、リッチに。ってことでしょうねえ。そこには、「よろめき夫人」とか「人妻の不倫」などといううす汚さはないんです。グッチのサンダルを選ぶように、ちょっと昔の彼とセックス、ってなもんです。

もちろん、あくまでファッション誌、着こなしを見せることが商売ですから、昔の男に再会したあと、どうするかまでは書いてない。もちろん、服の下の事情についても。けれども、これをドキドキしながら読む主婦の方々もいるのだろうなあ。そう考えると、同窓会って怖いですねえ。激しいですねえ。そんな気持ちでやってくるなんて。

残念ながら私は高校まで女子だけで育ち、大学は男ばかりに囲まれましたが、当時のひとたちとは今も時々飲んでいるし、昔の彼はすなわち、最初のダンナだし、このひとには今でもよく会うので、今さら、ドキドキするような同窓会はないんですねえ。残念。

人妻の欲望渦巻く同窓会。いいんだか、悪いんだか。